すべてが薄くなる

前回の日記のタイトルが「すべてがfになる」なのに当該作品にまったく触れなかったので、犀川先生ファンの友人Yが立腹していた。

そうだ、「すべてがfになる」が映像化するんだった。犀川先生役は綾野剛だそうだ。

まず若くないか!?と思ったが、原作が出版された時点で犀川は私より年上だったけど、考えてみればだいぶ追い越した。これからは、若い頃読んだ小説が映像化される度にそう思わされる運命である。つらい。

次に薄くないか!?と思った。綾野剛の演技が印象薄いと言ってるのではなく、顔立ちの話である。これも、原作を読んでいた当時の流行りの顔が木村拓哉だったり、福山雅治だったり、今より甘めだったせいと思われる。

考えてみれば当時の私の犀川先生のイメージはなんとなく理系っぽいという理由でおぎやはぎ(どちらでも可)だ。別に濃くもなかった。

あまり俳優さんに詳しくないので、理由がざっくり過ぎて犀川ファンにもおぎやはぎファンにも失礼だが、この理由を適用するなら、岡田あーみん「こいつら100%伝説」に出てきたニセ歯医者も捨てがたい。


薄すぎないか!?といえば、御手洗潔が玉木宏、石岡が堂本光一で映像化という噂はどうなったんだろう。

友人にコメントを求められて、ミタライはもう少しコレステロール値の高そうな顔がいい、というわかりにくい返事をして失笑を買った。その時頭の中がコレステロール値のことでいっぱいだったと思われるが、これも犀川先生に感じたのと同じ感慨だろう。

今は、線が細くてすっとして、バタくさくない顔の俳優が「ハンサム」なのだ。私も綾野剛や玉木宏の顔が大好きだが、御手洗シリーズは今までに何度となく映像化の噂があって、御手洗役は鹿賀丈史だの豊川悦司だの言われていた記憶を保持しているから、その記憶と現代の俳優さんの印象のギャップが、時差ボケのような違和感を生み出している。ベネディクト・カンバーバッチをホームズとは認めない、という意見の根底にあるのも、こういう感覚なのかもしれない。

それにしても、石岡君はもう少しうっかり八兵衛感がなくていいんだろうか。堂本光一は身体能力ばっかり評価されてる気がするが、私は『銀狼怪奇ファイル』のぽやぽやした演技が一番好きだ。どの原作を映像化するか知らないが、「あの作品」以外はあえて王子様を封印してほしい。


何だかんだで人形劇のホームズもカンバーバッチとフリーマンっぽい顔だし、SHERLOCKのヒットを受けて、すべての探偵と助手コンビが「あんな感じ」にならないか、勝手に心配している。あれは、ステレオタイプに流れず原作を誠実に受け止めた脚本を中心に、皆がそれぞれベストを尽くした結果が「いい」のであって、できあがった「あんな感じ」を真似るのではなく、そういう制作者たちの姿勢こそ真似て欲しいなあ、と思う。どちらも、そう扱われるべき原作のはずだ。


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