関西へ

早起きして、東海道新幹線に乗った。

空がぱっきりと青い。雲が流れている。

京都に近づくと山が多くなってきて、雲が濃い影を落としている。ものすごく暑そうだ。

後ほど、シッター役を引き受けてくださったRさんと落ち合うことになっている。Rさんは、大阪、兵庫、京都あたりのカフェにすごく詳しい。今日は、かねてから行ってみたい、とお願いしていた梅田の「ペンネンネネム」と、Rさんお勧めの淀屋橋「オフィシナ・デル・カフェ」に連れて行っていただく。

どちらも、隅々までこだわりがつまったお店だ。

Rさんも私も、今は飲食業とはまったく関係ない仕事をしているけれど、「お茶を飲む店」がすごく好きだ。

もちろん、外で食事するのも好きだけれど、ごはんを食べる店が味に重きを置きがちなのに対して、お茶を飲む店は椅子やテーブル、壁の色、ちょっとした飾りなんかにもこだわりや誇りが感じられることが多く、それを覗き見るのが楽しい。

おいしければ汚い店でもいい、という人もいるけれど、お店にいる間は味覚や嗅覚だけじゃなく視覚、聴覚、触覚も働いているので、汚れていたり、テーブルがべたべたしてたり、店員同士大声で喋っていたりする店は、味にも集中できなくて私はちょっと苦手だ。「猥雑な雰囲気を楽しむ」という心構えさえできていれば、それはそれで良いものだが。

一時、感覚を全部預けるという意味で、本を読んだり映画や演劇を観たりすることと、誰かが演出した空間に身を委ねるのは似ている。

Rさんは印刷や製本を工夫した同人誌を作っていらっしゃって、私はRさんがデザインした本や雑貨がすごく好きだ。だから、Rさんが選んでくださったお店を訪ねるのは、私にとっては何重にも贅沢なこと。

時間が許せば、Rさん愛用の印刷所や紙のお店もちょっとだけ覗かせていただく。楽しみ。

 


概要 | プライバシーポリシー | サイトマップ
Copyright © 21世紀探偵 All Rights Reserved.